今回の取材では「馬を大事に」をモットーに独自のサービスを提供しながら、
ホースマンを育成し牧場にも信頼される大江運送株式会社の代表 白川典人さまにご協力いただきました。
はじめに
先日、日本中を魅了したWBCで侍メンバーのタイトな移動に不安の声が挙げられた。人間のアスリートですら過酷な移動はパフォーマンスに影響を与える。
生まれながらのアスリートで繊細な競走馬にとって輸送というのはレースの前に課される大きなハードルだ。
今回、紹介する大江運送さんは馬産地日高の静内に位置する馬匹業界53年で業界シェアNo1の企業である。安全運転は勿論、馬を大事にすることをテーマに年々進化する独自のサービスがホースマンに支持されている。
馬匹という職業に馴染みのない方に解説をさせていただくと、牧場、トレセン、競馬場など競馬に輸送は付き物である。その輸送を行うのが馬匹であり、業界トップの企業が今回取材をさせていただいた大江運送さんです。
以下インタビュー
ー本日はお時間を作っていただきありがとうございます。
よろしくお願いします。業界のことについてはなんでも聞いてください。
ー先日福永祐一さんが調教師になるに際して馬運車の会社を選ばないといけないとTVで語っていましたが
馬匹業者の選定は大事ですよ!各社色々工夫をしていますからね。私たちも年々様々な面で改善・改良を行なっております。
ー輸送は馬のコンディションにも大きく影響しますもんね。御社では独自の輸送法も行われているみたいで
そうですね。安全運転は勿論ですが弊社ではワンクッション輸送を行なっています。
そういった面でも評価をいただいているかと思います。弊社独自のワンクッション輸送としては福島県のテンコー・トレーニングセンターで馬を降ろして休ませてから目的地に向かいます。一旦馬を休ませることで馬のコンディションを崩さずに輸送が出来るんですよ。これは正直かなり大きい効果があると考えています。
馬はもともと繊細で臆病な生き物です。狭さ・暗さ・揺れ・走行中の外部からの物音などに敏感に反応し、大きなストレスを感じてしまいます。高いストレス環境におかれた馬は、調教やレースなどに支障をきたす恐れがあるため、輸送中は、精神的な不安に起因するストレスを減少させなければパフォーマンスは発揮できません。
※ワンクッション制度をより詳しく知りたい方は下記をご覧ください
ー最高の環境づくりを心掛けているんですね
はい。そのためOJTにも力をいれています。レース輸送は我々は馬には規定上触りませんが牧場からの輸送であれば馬の積み下ろしなども我々で行います。そのため運転だけではなく馬の扱いもプロでなければいけません。
オーナーや関係者の期待を背負っている馬ですからね。OJTでは提携牧場さんなどに実際に行かせていただき馬を触らせていただいています。昔から各関係者さんから弊社社員の馬の扱いに対して嬉しいお声をいただくことは多いのですが、これをさらに伸ばして行きたいですね。
これは社員が仕事に対して真剣に取り組んでいる賜物ですからね。入社してくれる社員など弊社は恵まれていますよ。
ーOJTのお話なども出ましたが業界未経験者の方も多いですか
約半分は未経験者ですね。また、馬匹は運搬業界最高峰の花形職種とも言われています。ただ、世間にはあまり認知されていないんですよね。
ーもっと多くの人に馬匹の魅力を知っていただきたいですね
馬のコンディションに関わる責任のある仕事です。プロとしての誇りもありますし、その分やりがいも格別かと思います。担当した馬が無事に輸送が終わり、レースに出走が出来ただけでも嬉しいですが、勝利した時などは中々味わえない感覚ですよ!!華やかな世界に自分が携わり結果が出た瞬間は誇らしい気持ちになりますね。
ー輸送手法や馬運車も年々進化されていますが今後の会社の展開は
人手不足の課題はやはりあります。実際に人がもっといればより馬の輸送もスムーズになりますし、引き合いに比べてドライバーが少ないため、運送業界にとってよりこの業界に興味をもっていただけると嬉しいですね。
そのため、時代に合わせた働き方も取り入れています。例えば採用において日本全国の方が仕事に専念できるための綺麗な社員寮の完備もですが、広報やプロデュース関連のお仕事においては在宅勤務で日本中各地の社員とネットを介して仕事を行なっています。良いものを馬産地の日高に沢山もたらす先駆者になれればそれもいいかもしれないですね!!
ー本日はありがとうございました
大江運送さんHP
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