はじめに
競走馬の予想には戦歴や騎手や調教内容。そして大多数で重要視される血統。
生産牧場において牝系を育てていくことは競争成績及び経営の肝になるため、配合は各牧場の理論や特徴が出るはずで、加えて育成過程においても各牧場工夫を凝らしているためその動向に目を向ける事も重要なポイントになると考える。
牝系の名前を見るだけでなく近親の好走パターンを把握していく事で競馬はもっと面白くなる。
今回注目する村田牧場は2017年〜2022年にかけて5年間のJRAでの年間勝率が1割前後とハイアベレージをキープ。また、勝率のみならずノースブリッジ、ディープポンドや今年のクラシックにも参戦したタッチウッドなど毎年重賞戦線で活躍する馬を輩出している。
創り上げてきた注目の血統
競馬界で今注目される母父キングヘイローだが、村田牧場では。新冠の優駿スタリオンステーションで繋養されたキングヘイローに繁殖を集めたことが見受けられる。
世界的良血のキングヘイローは現役時には高松宮記念の勝利が印象的であるが、菊花賞や有馬記念での好走など活躍の舞台が幅広く、種牡馬時代もローレルゲレイロやカワカミプリンセスを輩出するなど様々な適性の活躍馬を輩出した。近年では母父として世界的な名馬となったイクイノックスの輩出などで注目が集まっている。同牧場からも同血統からディープポンドなどの活躍馬が輩出されており、今後更なる活躍が期待される血統はこれまでの牧場の経営方針の賜物だろう。
基礎を作り上げるモガミヒメとキングヘイロー
村田牧場を代表する牝系にモガミヒメが挙がる。このモガミヒメの産駒であるG1馬ローレルゲレイロをはじめ村田牧場の活躍馬を遡るとディープポンドやノースブリッジ、タッチウッドなど多くの馬が名前に辿り着く。
モガミヒメの血統からの特徴は産駒を見ていくと全馬が無事にデビューをしており、競争成績においても地方移籍馬も含めるが息の長い馬が多いのが印象的だ。
実際にこの牝系の重賞馬を見てもローレルゲレイロやディープポンドのような一線で長く走り続けている馬やノースブリッジのような700日滞在など心身ともに強さが伺える。また、能力的にもスピードと勝負根性を活かした先行しての活躍も目立つ。
入念な放牧
血統だけでは走らないのが競馬であり、人の手も加わったての成果だろう。近年では二つの放牧地を一つに改修するなど様々な工夫が牧場のブログでも発信されている。また私自身が日高に滞在した際にも夜間放牧を積極的に行われている様子も見受けられ、そういった取り組みも心身ともに充実した活躍馬を輩出している要因だろう。
執筆 藤田 健斗
コメント