新種牡馬デクラレーションオブウォーへの更なる期待
デクラレーションオブウォー
所属スタッド:JBBA日本軽種馬協会
種付料:230万円
父:ウォーフロント
母:テンポウエスト
母父:ラーイ
生産者:Joseph Allen(米国)
現役時厩舎:エイダンオブライエン
現役時代
現役時代に13戦7勝で主な勝ち鞍としてはロッキンジステークスやクイーンアンステークス、インターナショナルステークスといったマイル〜2000mのG1を勝利。現役最後のレースはダートの世界最高峰のブリーダーズカップクラシックで3着と好走しており、種牡馬として期待が膨らむ戦績を残し名門クールモアへ種牡馬入りをした。
血統について
・父系
まず、注目のポイントはウォーフロントの後継種牡馬というところだろう。父ウォーフロントの現役時代はG!制覇がなく善戦はするものの勝利には至らなかった馬であり、当初はそこまで繁殖が集まらなかったものの初年度産駒から芝・ダートの両方のG1勝ち馬を輩出した。そのうちの一頭は日本でもお馴染みのザファクターであり、2年目の産駒が本馬となる。その後世界中のG1で様々な条件で産駒が活躍しており、ダンジグ晩年の傑作との声もある。
・牝系
母父はラーイであり、アメリカでも芝・ダートの主要なG1を制覇する産駒もでており、日本でもトキオパーフェクトなどが短距離重賞を制覇したことからもスピード能力を産駒に受け継いでいるように感じている。
デクラレーションオブウォーの種牡馬としての期待
父系はノーザンダンサー→ダンジグ→ウォーフロント。そして母父にはラーイとどの馬も国・馬場・距離問わずG1ウィナーを多数輩出するオールマイティー且つ一流の種牡馬で血統が構成されている。
実際に本馬はクールモア所属でエイダンオブライエン厩舎ということからデビュー前から期待は相当だったのではないだろうか。
2015年の春に生まれた産駒が本馬にとっての初年度産駒になるのだがフランスの2000ギニーを勝利する産駒だけでなく、シャトルで種牡馬活動を行なったオーストラリアでも伝統の長距離戦のメルボルンカップを勝利している。
クールモアでの種牡馬在籍期間は僅か一年で翌年からアメリカに移ったわけだが、初年度はフランスでその後はアメリカなどでG1勝ちの産駒を輩出している。
世界中の様々な競馬に対応できることは血統的に名を連ねる先祖と共通している部分で本馬も大物種牡馬の後継であるといった期待は膨らむ。
産駒のG1制覇
2015年産
・オルメド フランス2000ギニー
・ヴァウアンドディクレア メルボルンカップ
2017年産
・デコレーテッドインベーダー サマーステークス
・グーフォ ベルモントダービー
2018年産
・ファイアアットウィル ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフ
・2018年にて日本軽種馬協会が導入
上記を見ても分かるようにフランスで1年、アメリカでも活動年数2年で日本に移籍しており、産駒が本格的に走り出す前に土地を変えてきた過去がある。そういった背景を見ると競馬場に入るまでトーンが上がらなかった馬が多いのか、そこは定かでないので憶測では書けないのだが、本馬は世界のホースマンの期待を良い意味で裏切っていることには間違いなさそうだ。
そんな中で不安視される話もあり、それは受胎率における点である。この受胎率は産駒の成績と同様に種牡馬の能力として重要なことである。そこで過去2年の本馬の種付頭数における出生数を簡単ながら見ていきたい。
ある、牧場のサイトを見てみるとサラブレッドの受胎からの生産までの率は下記が平均だと解説されている。
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サラブレッドの受胎率は約82%、出産率は約92%となります。例えば10頭の繁殖牝馬に対して種付けした場合には、翌年には概ね7.5頭[82%の受胎率(0.82)×92%の出産率(0.92)= 75%]の子馬が生まれるという計算になります。(引用 BOKJOBブログ)
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そこで独自調べで正確とはいえないもののJBISのサイトデータをもとに種付けに対する出生頭数で率を出してみた。※流産等もあるので完全な受胎率ではありません。
(参考データ:JBIS)
2019年度
種付頭数:152頭
生産頭数:89頭
56%
2020年度
種付頭数:134
生産頭数:94
71%
人気種牡馬のキズナで65%~71%程度、ディープインパクトの晩年で(最後の3年)で54%~62%程度と考えると初年度の受胎率はやはり良い数字ではないものの、2020年度においては改善され他の人気種牡馬と同等かそれ以上の数字だ。そのため2021年度と2022年度の結果を見てからここに関しては評価をしていきたい。
※あくまでも独自調べで数字の誤り等がございましたら申し訳ありません。
馬券的な旨味
競馬の中で人気のポイントとなる一つの材料は血統であり、特に2歳戦においては社台スタリオンステーションに在籍する種牡馬の産駒が人気となる傾向にある。それは種牡馬の魅力もあるがノーザンファームを中心とした社台グループの影響もある。そのため日高の繁殖との交配頭数が多い本馬の産駒に関しては穴になるケースも多い。現代の種牡馬の戦国時代と言われている中でまだまだ種牡馬の格付けが済んでおらず隠れているからこそ馬券的には狙い目だ。種牡馬としてのスタートダッシュは決まっているので秋競馬となり社台グループ等
の真打が登場する中央場所に来て再度注目だ。
注目一口募集馬
オールズフェア 2020年産
生産:新冠橋本牧場
厩舎:鈴木孝志 (栗東)
クラブ:サラブレッドクラブライオン
母:プルーフオブラヴ
母父:サンデーサイレンス
価格:募集前
ティックルピンクの2021
生産:辻牧場
厩舎:藤岡健一 (栗東)
クラブ:ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
母:ティックルピンク
母父:フレンチデピュティ
価格:12.5万円/200口
クラブ募集サイト:https://www.union-oc.co.jp/id/3633#open_PROFILE
アースサウンドの2021
生産:ハシモトファーム
クラブ:グリーンファーム
厩舎:杉山晴紀 (栗東)
母:アースサウンド
母父:Yes It’s True
価格:10万円/200口
クラブ募集サイト:http://greenfarm.co.jp/photo/2104.shtml
◎参考文献
引用 BOKJOBブログ
参考 JBIS
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